安易に子どものためと思ってはいけない
グローバルキッズメソッドは発達障害のある子供たちの放課後教室を実施する施設です。
少人数で多様なプログラムがあるので人気ですね。
宇都宮市内でも多くの教室がどんどんできています。
月の月謝が5000円未満で学校まで迎えに来てくれるということで、保護者からの評価も高いものがあります。
しかし、安易に入会する前に本当に入会が必要なのか考える必要があります。
私は長年教育に携わってきました。
そんな経験を踏まえながら考察したいと思います。
この記事はグローバルキッズメソッドに対する記事でなく、安易に自分の子どもを入所させる親に対しての啓もう記事です。
この施設は国の補助金を受ける発達障害者専用の施設です
やってしまいましたが、ちょっと安心感
文部科学省は発達障害のある子どもはおおよそ6.5%くらいいると示しています。
普通学級の教室に2~3人いる計算です。
自分のお子さんも、他の子と比べて落ち着きがないとか言葉が遅いとかあると心配しますね。
そこに付け込んでいるのが「グローバルキッズメソッド」です。
国は湯水のように補助金を放出します。
入会案内にもあるように、この施設に通所するには「受給者証」が必要なんです。
受給者証とは
「受給者証」(正式名は障害福祉サービス受給者証)とは、児童福祉法に基づいて運営している事業所の福祉サービスを受けるために必要なものです。デイサービスを利用するためのパスポートのようなものです。
障害福祉サービスを受けるためなんですね。
「「グローバルキッズメソッド」のホームページには児童福祉法に基づく入所サービスとは書いてありますが、障害福祉サービスとは書いてありません。
必要なのは「障害者手帳」ではないので障害者の認定ではないという安心感があるのかもしれませんね。
「障害者手帳」は簡単に発行されません。
「障害者手帳」でなく「受給者証」が簡単に発行されるのは、早めに矯正教育を受けることが子どもの将来に役に立つという考えがもとになっています。
この考え方は重要で全く否定されるものではありません。
真に発達障害を持つ子供ならば早急にそういった教育を受けさせるべきでしょう。
「受給者証」は簡単に出るの
発達障害の「受給者証」には医者の証明が必要です。
しかし、専門の医者でも発達障害の有無を確実に認定することは大変な作業です。
面接などで分かる重い障害なら診断できますが、ちょっと落ち着かないとかおとなしくて周りとなじめないなどは、面接では分かりません。
つまり、保育園や学校の先生の話や親の意見で左右されるのです。
ですから、「この子は発達障害でないから受給者証はもらえません」という診断はしないのです。
障害者手帳を申請する診断書は真剣にとらえますが、受給者証に対しては安易に考えている医者もいるようですね。
受給者証が有れば放課後預かってくれる
たった5000円で放課後子どもの面倒を見れもらえたら、自分の子どもが発達障害があるということになっても構わない親が増えているんですよね。
私はそれが大きな問題だと思います。
グローバルキッズメソッドに通所するということは親が自分の子どもの発達障害を認めたことになるんです。
他の子と違うのはほとんどは成長の差や個性です。
発達障害は生まれつきの特性です。
自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などの障害なのです。
受給者証を受けるにはこれらいづれかの障害があるということを親が認めたことになるんです。
子どもはそんなこと気にしませんが、大人になって自分が「グローバルキッズ」に通っていた理由を知ったらどう思うのでしょうか。
そこまで、親は考えてから入所させることをおすすめします。
もちろん、発達障害があるお子様にとって専門の先生が指導してくれる「グローバルキッズメソッド」で支援を受けることはその子の将来性を広げる素晴らしい手段の一つであることは申し上げるまでもありません。
子供の将来を考えて判断しよう
そんなわけで、国民の税金が使われているグローバルキッズメソッドです。
自分の子供の将来にとって「発達障害の受給者証」をもらい施設に入れることが本当に大切なのか再考して判断してくださいね。
再び書きますが、親が自分の子供に発達障害のレッテルをはる行為なのです。
ここは一般の放課後こども教室ではないことを理解してくださいね。
健常者は通所できない施設なのです。
特別支援学級に入るのと同じ
以前は特殊学級と言われていましたが今は特別支援学級ということで、保護者の理解も進んできています。
それでも、そんな教室に入れたくないという保護者はまだまだいますね。
祖父母が反対するという例もたくさんあります。
「グローバルキッズメソッド」に通所することは「特別支援学級」に入れることと同じなのです。
子供の将来に向けて「個別の支援計画」を作成して教育する特別支援学級は、そのような支援が必要な子供のためにあるんです。
「グローバルキッズメソッド」への通所もそれと同じ事だという理解をしてください。
先生は専門家だけではない
ではこのように増えている施設に専門家がいるのでしょうか。
そこはいろんな指摘があるようです。
施設によっては、あまり評判の良くないものもあります。
発達障害に対する知識を持った専門家がそんなにいるわけは有りません。
中には得体のしれないアルバイトもいます。
アルバイトでも子供に愛情をもって接する立派な方ももちろんいます。
どんな免許を持った職員構成なのかも調べておくことが大切です。
過去には補助金の不正申請の事件のあった施設もあったようです。
入所させるにあたっては、親子ともども理解し合意したうえで入所してくださいね。