今回は墓じまい:お墓の移転(改葬)をどう行ったか。その際に新たに知った事実を交えて紹介します。
改葬とは
改葬はこれまで埋葬していた遺骨を新たな場所に移すことです。いくつかのインターネット上のサイトで調べたところ、概ね半年の期間をかけて300万円くらいかけて行うとありました。
今回はそれをハイスピードで約1ヶ月、しかも総額100万強で実施した顛末を書きます。
これから改葬を考えている方は参考にしてください。ただし、それぞれの思いや考え方が基本となりますので、かかる費用は変わってきます。
改葬の流れ
改葬するには段取りが必要です。まずはその流れを簡単に紹介します。概ね以下の流れで大丈夫かと思います。今回は、様々な行き違いがあったおかげで結構迅速に進むこととなりました。
① 遺骨が入る墓を決める。
② 遺骨が埋葬してある市町村に改葬申請をする。
③ 市町村から改葬許可証をもらう。
④ 遺骨が埋葬してある墓の墓じまいをする。
⑤ 新たな墓に遺骨を移す。
改葬許可書がないと遺骨の移動はできません。ですが、別段順序が変わっても特に問題がない事が分かりました。改葬申請と並行して墓の移動を進めると日程の短縮が図れます。
これは、お寺の方との話し合いの中で知りました。改葬許可書がなければ、新たな墓に埋葬できないと思っていましたが、お寺にはいつ提出しても大きな問題はないということです。
ここからは実際の内容を簡潔に紹介します。宗派や間に入る石屋さんとの調整で変わることもあると思います。
① 遺骨が入る墓を決める。
改葬するのはお墓が遠方であったり、子供や孫に迷惑がかからないように墓をまとめたりするためです。理由はどうあれ、遺骨の新たな埋葬場所を決めることが先決です。
今回は妻の母が新聞広告に掲載されていた自然墓について興味を持ち、先祖五人の遺骨もそちらへ移したいということがきっかけでした。最大の理由は墓が遠方で、歳を取った義母が墓参りもできないからです。
今回はお墓を新しく建てて遺骨を骨壷ごと移動するということでなく、遺骨を自然に返す形態の埋葬を選択しました。
新たな墓は、縦横50cm深さ1mほどの縦穴です。墓石の代わりに、石屋が文字などを刻んだプレート型の石をそこに載せます。通常のお墓5区画分くらいの面積に100~200程度の小さな墓が出来上がるイメージです。中央奥に石でできた仏様を配置し、手前に墓参り用の焼香台があり、3家族が同時でも対応できるようになっています。
契約料(広告掲載の価格)に含まれるのは、今後50年間の墓の使用料とプレートとなる石、そして刻む文字の代金です。遺骨を入れる場所によって価格が変わりますが、今回の場所は仏様の近くではないので1区画50万円程度でした。
驚いたのは正式な契約のときです。新たに知った新事実。
墓に入れるときにはお寺のお坊さんにお布施を渡すことは考えていましたが、宗派が変わる場合、戒名を付け直す必要があるということでした。もちろん戒名の文字数で金額が大きく変わります。
今回は義父、義祖父母、義曽祖父母の5人の遺骨ですから、戒名五人分少なく見積もっても1人50万として250万円がそのお寺の相場でした。戒名を付けないとどうなるのか聞いたところ、遺骨は埋葬できますが、寺の過去帳には掲載できないということでした。
つまり、戒名はそれぞれの宗派における仏様のお名前ですから、名前がなければ過去帳に書けないということを理解しました。
宗派が同じであれば、戒名は変えずに改葬できるということです。その場合戒名付きの改葬申請をお寺に出すとお寺さんが戒名を過去帳と確認して証明してくれるのです。それをもって新しい寺の過去帳に載るわけです。
今回は戒名は付け直さず、過去帳にも載せない選択をしました。ここは、よく考える必要があります。注意しましょう。その場合は破格のお値段ということで、5人の遺骨を散骨するために20万でお願いできました。長くなるので、残りは別に書きます。
② 改葬申請書を市町村の役場に提出する。
③ 改葬許可書をもらう。
④ 遺骨が埋葬してある墓の墓じまいをする。
⑤ 新たな墓に遺骨を移す。